後見制度はどんな場面で利用するのか 中條レポートNo213

意思能力が衰えた場合に利用するのが法定後見制度です。
実際にどんな場面で利用するのでしょうか。大きく分けて二つ考えられます。

 ➀ 意思能力がない方で、下記のような法律行為を行わなければならない場合。
「施設入所費用を工面するため、不動産を売却しなければならない」

本人は意思無能力者のため売買契約が出来ません。本人に成年後見人を立て、本人の代わりに不動産を売却をしてもらうしか方法はありません。
注 本人にとって本当に必要な法律行為かどうかの判断は大切です。

② 意思能力が衰えている方で、本人が本人らしく生きることを阻害されている場合。
意思能力が衰える≠意思無能力ではありません。意思能力は多少衰えても、法律行為は有効に成立します。しかし、有効に成立してしまうが故に、本人が不利益を被るおそれが生じます。例えば、訪問販売で高価な布団等を買ってしまった。等々です。

そのようなとき、後見人、保佐人、補助人(本人の意思能力の程度によって変わってきます。以下「後見人等」という)が本人を守ります。
この場合、本人が行った布団購入という法律行為を取消せます。(補助人は要件有)布団を返品し代金を返してもらえます。

 

身寄りのない人が施設に入所する場合にも役立ちます。
施設は入所条件として親族の連帯保証人を求めます。しかし、身寄りのない方は保証人を立てられません。そんな時、後見人等がいれば保証人無しでも入所を認めてくれます。認めてくれるのは、後見人等は本人が亡くなるまでお世話する人だからです。具体的には本人の財産管理、入所契約・介護契約等の身上保護をおこないます。 

上記のことから、親族等に守られて暮らしている人は、➀以外は利用する必要性は少ないでしょう。利用するのは権利擁護の必要性が高い方です。具体的には独居高齢者で生活が困難な方、老老夫婦で二人とも意思能力が低下してきた方、虐待されている方、等々です。

「後見制度は融通が利かなくて大変だ」よく聞く言葉です。その通りだと思います。しかし上記のような方が、その人らしく生活するためには必要な制度であることも確かです。それ故、制度を利用するかどうかの判断が大切になります。

均分相続は平等相続と心得よ 野口レポートNo269

昭和23年1月1日より現行民法が施行され、相続制度が変わりました。子が複数いれば同等で分ける均分相続となりました。昭和37年・昭和55年の改正、平成30年の大改正を経て現在に至ります。

相続は相続開始時の法律が適用されます。昭和19年に亡くなった曽祖父がいます。土地の名義は曽祖父のままです。今の時代に相続手続きをしても家督相続が適用され、曽祖父に子が10人いても長男(祖父)が1人でその土地を相続することになります。

現行民法の下、新たな相続制度が適用され71年となりました。今や均分相続は国民の意識のなかに定着した感があります。また戦後のベビーブームに生まれた団塊の世代が相続を迎える時代にもなりました。

相続人の層も若返り、権利意識はますます増してきました。義務を果たさない人ほど権利意識が強く、「法定相続分」という言葉が当たり前に出てきます。「遺留分」「特別受益」などの法律用語も出てきます。

「均分相続」は「平等相続」です。決して「公平相続」ではありません。そして平等と公平の違いは分かりづらいです。

お正月のお年玉を思い浮かべてください。袋のなかに、高校生、中学生、小学生、すべてに一律1万円が入っていれば平等です。

そんな親はいないでしょう。袋のなかには1万円、5千円、3千円と、歳に相応したお金が入っています。これが公平です。

長男夫婦が家業の食堂を手伝い、両親と同居し母の最後をみとりました。姉はすでに嫁ぎ弟は独立し家をかまえています。

父親が亡くなりました。遺産は店舗(食堂)兼居宅です。姉弟が法定相続分を主張してきました。長男が店舗兼居宅を取得するには、姉弟の相続分に見合った代償金を払わなければなりません。お金が調達できなければ家を売って換金し3分の1で分けろと言われます。事業承継は吹っ飛び、長男は仕事と住むところを一度に失います。

裁判をしても、審判官は全ての事情を総合的に考慮し判決を出しますが、法定相続分を変えることはできません。判決が出ても長男は3分の1の遺産しかもらえません。

民法は寄与分制度を設けていますが、通常の親の介護や、家業の手伝いが寄与分として、長男の相続分に反映することもほとんどありません。

理不尽と思っても法律に対し常識は通用しないのです。

長男は姉弟が法定相続分を要求してくるなど夢にも思ってもいませんでした。相続が開始しまさかの展開です。

審判官ですら変えることのできない長男の相続分を変えることができる人が1人だけいます。それは被相続人になる「おじいちゃん」です。方法も1つしかありません。それが遺言です。

こんな悲劇を防ぐためにも、生前に遺言で長男の相続分を増やし、平等に不平等を持ち込み公平にしておく必要があります。

均分相続は平等相続です。相続が開始してからでは何もできません。平等と公平の違いをしっかり認識し、長男への感謝の気持ちを形(遺言)にして残しておくことが大切です。

最低の義務

「朝のアイサツは人より先に!!」・・・
これを一生つづけることは、人として最低の義務というべし。
[ 森信三 一日一語 ] より

これ、やってないですよね。
でも、これが出来れば最低の義務が果たせるのです。

幸福

幸福とは求めるものではなくて、与えられるもの。
自己の為すべきことをした人に対し、
天からこの世において与えられるものである。
[ 森信三 一日一語 ] より

求めて得られるものは幸福とは呼ばないのでしょう。
勘違いしてしまいます。

求道

求道とは、この二度とない人生を如何に生きるか・・・
という根本問題と取り組んで、
つねにその回答を希求する人生態度と言ってよい。
[ 森信三 一日一語 ] より

常に持ち続けることの難しさ。
妥協し流されてしまう。

円満相続の考え方と秘訣 中條レポートNo212

相続アドバイザーの役割は「相続人を幸せにすること」。
私が毎月通っている相続塾の塾長の言葉です。今回は塾長が昨年122講話された「円満相続の考え方と秘訣」からです。

相続は親から財産が貰えるのに、何故、揉めるのか。

このシンプルな疑問に対する答えは、
「親の財産をもらうのは当たり前だと思っている。
だから感謝の気持ちが出てこない。
そのため、譲ることが出来ないため揉めてしまう」 

親から生前に贈与してもらう時は感謝しますが、相続の時は貰うのが当たり前になってしまいます。そして他の兄弟が自分より多く貰うと、感謝どころか、不平不満となり、譲るどころか、奪い合うようになります。

揉めるもう一つの原因が、相続に対する正しい知識を持っていなことです。間違った知識を基に話合いを行うため、感情的になり相続争いになってしまうのです。

相続争いを防ぐ方法は
「相続を法律問題にしないこと」そして「正しい知識で話合いをすること」です。

一律にしか判断できない「法律」で、多様な家族問題を解決することは出来ません。(もちろん法律は大切です)一旦法律を頭から外して、相続人にとって何が大切かを考えることが重要です。幸せになるための本質が見えてくるからです。

子供たちを争わせようと思い財産を遺している親はいません。
相続争いの本質は、子供の頃、おやつが多い少ないと喧嘩したのと同じです。その兄弟喧嘩が相続争いになり、兄弟の縁が切れてしまう。こんな愚かなことはありません。

相続人自身が、このことに気が付かねばなりません。
そして相続アドバイザーの役割は、兄弟喧嘩を相続争いにせずに、幸せに導くことです。
役割を果たすため、本質を見抜くための目を養い、相続人を幸せに導くための人間力を高めなければなりません。

日々、一歩一歩の積み重ねが欠かせない所以です。