意思決定支援 中條レポートNo220

認知症等で意思能力が衰えた方(以下「本人」という)を支援する成年後見制度の理念の一つに「意思決定の尊重」というものがあります。これは、本人が自分で判断して決めたことを尊重するという考え方です。

最近では、意思決定の尊重を一歩進めて「意思決定支援」が大切だと言われています。本人が自分で決めることを支援し、決めたことを実行するのです。決める内容は、本人の意思能力の程度に応じて様々です。

意思決定支援の現場で支援者が気を付けなければならないことです
1、本人の言葉をそのまま本人の自己決定と捉えていないか。本人が決めたのだから、本人の自己責任だと支援者の責任を逃れていないか。
2、支援のしやすさを優先していないか。支援のための根拠付けになっていないか。3、サービス先にありきの既存サービスを当てはめるだけの検討に終わっていないか。4、結論が先にありきになっていないか。後付けの根拠資料として使われていないか。

常に気を付けていないと陥ってしまうことばかりです。これらを実践することは並大抵のことではないことがわかります。

また現場では次のような過ちを犯しがちです。

 本人に大きな影響を与える人が、本人にとってこの方法が良いと判断して、その方法を押し付けてしまうことです。

本人のためになるから、これが本人の意思だと勝手に判断して行うのです。しかし意に沿わない方法を押し付けられていたとしたらどうでしょうか。

嬉しくないですよね。

「こんなに本人のためにやっているのに」と支援者が思っていても、本人が支援者に心を開かないとき、原因の一つはここにあると思います。

本人が「自分のことを自分で決めることが出来ない」ことのおかしさ。ここに支援者が気付くことが自己決定支援の第一歩ではないでしょうか。

「その人らしく」という成年後見の理念に立ち返り、この一歩を念頭に置き行動していくことが大切だと思います。