実務講座 中條レポートNo281

私が所属する相続アドバイザー協議会(以下「SA協議会」という)で、一昨年度より実務講座を開催しています。

この講座の受講要件はSA協議会が開催している相続アドバイザー養成講座(以下「SA養成講座」という)を一定割合以上受講し、SA協議会の認定会員になっていることです。

「認定会員になったけど、なかなか実務が出来ない」
という声に応えるための講座として誕生しました。

SA養成講座では相続実務に欠かせない法務・税務・保険・不動産等の知識を学びます。
しかし相続実務ではその知識を現場で使えなければなりません。

具体的には依頼者の話を傾聴し、何が問題かを把握し、相続手続の方向性を定め、どのような手続が必要かを洗い出し丁寧に進めていきます。

何が必要か、何が問題になるかを洗い出すことはSA養成講座で学んだ知識が役立ちます。しかし実際どのように手続を進めていくかが重要です。

誰に、どこに頼むのか、手続書類の書き方、提出先等々、実務を行っていくうえではこれらをしっかり把握して、漏れなく行うことが必要です。

また同じ遺産の分け方でも、手続のやり方はいく通りもあります。
手続のやり方で手取り額が変わることもあります。また手取り額が同じでも、「そのやり方は止めてくれ」と相続人から言われることもあります。

相続人に手続方法をしっかり説明することが大切です。
手続を行う各機関にこの手続方法で問題がないかを確認することも重要です。

例えば預貯金等の金融資産の場合、各金融機関で手続のやり方が異なりますし、時の経過により手続の方法が変わることもあるからです。

手続をしっかり進めていくことが、相続人間の疑心暗鬼の芽を摘み、不要な争いを防ぎ、相続を円満に導くために肝要です。

世の中の急激な変化に伴い、多種多様な相続手続が出てくるため、講座自体が進化していくことも重要です。常にバージョンアップを心掛け役立つ講座にしていきたいです。