法定後見制度利用概況 中條レポートNo242

令和2年の法定後見関係の統計からです。(「成年後見関係事件の概況」HP検索)

法定後見制度を利用する場合、本人の親族が後見人等になっている割合が令和2年は19.7%と20%を割りました。

この数字が親族は後見人等に選ばれないという根拠にされることがあります。
これは正しいでしょうか。

後見人等を付けてくださいと家庭裁判所(以下「家裁」という)にお願いするとき、通常は後見人等の候補者を立てて申請します。(最終的には誰を後見人等に選ぶかを決めるのは家裁ですが、家裁は候補者を重視します)

この候補者の内、親族の割合が公表されました。
令和2年は23.6%です。
そもそも、親族を候補者として申請している割合が低いのです。

 また、申立人(家裁に申請する人。原則は本人の親族)の一番は、市区町村長です。身寄りがなく申立てる親族がいない場合にとられる手段です。二番目が本人の子、三番目が本人です。(意思能力の低下が低い場合、本人が申立て出来ます。身寄りがない人が利用することが多いです)

 これらのデータから「身寄りのない人の後見利用が増えている」ということがわかります。独居高齢者が急増しているという、世の中の状況が、親族割合の低下の大きな要因だと思われます。

ですから、親族の割合が低下していることが、家庭裁判所が親族を後見人等に選ばれないことにはならないと思います。(親族間に争いがなく、財産が複雑でなければ、親族が選ばれるというのが私の実感です)

一方、法定後見制度を使うと面倒だから、利用しなくて済むよう、事前に対策を講じている人が増えていることも、親族割合の低下の要因になっていることも確かだと思います。

後見制度の利用・運用状況は日々変化しています。状況を正確に把握し制度の利用を検討することが大切です。

所有者不明土地問題 中條レポートNo241

所有者が不明な土地が九州の面積と同じくらいあると言われています。

東日本大震災等で、土地を整備しようにも、所有者が不明で事業が進まないことが問題となり、今回の法律改正、新たな法律制定にいたりました。

何が問題になるのか。
例えば所有者が不明な隣地から土砂が流れ込んでくるようになり、隣地との境界に塀を設置するため隣地を利用する場合。

現在の法律では、土地利用に隣人の承諾が必要です。承諾が得られない場合、訴訟を起こして判決で承諾を得る必要がありました。

隣地に立ち入る判決は出るでしょうが、手間と費用がかかり、事業の阻害要因となります。新しい法律では、通知をすれば承諾なくとも利用出来るようになります.。
このように法改正で手続を簡素化し実務上整備をしやすくします。

相続した土地の登記も義務化されます。相続を期に所有者不明となることが多いためです。
具体的には相続があった事を知った後3年以内の相続登記の義務化です。

但し、「3年以内に遺産分割を成立させなければならない」のではありません。
分割が出来なければ、申告登記制度というのを利用し、相続人を登記します。(その後遺産分割がまとまったら、成立後3年以内に登記しなければなりません)

 「ただでも売れない不動産」が急増しています。だれも相続したくない不動産は、ほったらかしにされがちです。それを防ぐため、相続した土地を国に帰属させる制度が新たに出来ます。

この制度に期待する方は多いでしょう。
しかしなんでもかんでも受け入れると国が不良不動産を大量に抱え込むことになります。この維持費用を税金で賄うことへの抵抗は根強いです。

そのため帰属させる要件はかなり厳しくなると予測されています。
帰属後、10年分の管理費用を国に収めなければならないのもその一つです。

大切なのは、土地整備に支障をなくすように法改正を機能させることです。そのためには、法の運用基準をしつかり整備させることです。

人生100年時代 中條レポートNo240

70代はまだまだ若い。日々の相続や後見業務で感じることです。
今、まさに「人生100年時代」がおとずれようとしています。

人生100年時代で心配になるのが意思能力の衰えです。
「自分は認知症にならない」
と思っている方は多いのではないでしょうか。しかし、高齢者の認知症割合を見ると他人事ではありません。

認知症になり判断能力が衰えると「預金が引き出せない」など法律行為が出来なくなります。日常生活にも支障をきたし、本人らしく生きることが阻害されます。

遺言は死後の財産承継がスムーズにいかなくなることを心配して作成します。
このことを心配する人が生前の意思能力対策を心配しないはずはありません。

心配しないのは、起こりうるリスクに気が付いてないだけです。気が付けば、必然的に認知症対策を行うでしょう。
なぜならば自分自身が生存している時に起きる問題だからです。

ではどのような対策があるのでしょうか。

元気な内であれば、任意後見契約、民事信託、贈与等々、様々な方法があります。適正な方法を選択、もしくは併用し実行していきます。
肝心なのは何が本人にとって必要なのかを長期的に見る目と、状況の変化に合わせたメンテナンス機能だと思います。

なにもしなければ法定後見制度の利用となります。
世間では法定後見は使いにくい制度だと言われています。これは「本人のために」を家庭裁判所が厳格に判断し運用するからです。
しかし「本人のために」を厳格に運用するから守られる人もたくさんいます。
ですから、意思能力が衰えたら家庭裁判所に後見人等を選んでもらうというのも選択肢のひとつではないでしょうか。

意思能力対策で最も重要なのは本人の意思尊重です。(本人のために行う)
ここがぶれると、100年生きることが喜びでなく、苦悩になるからです。
意思能力対策をアドバイスする人の理念が重要になります。
責任は重いです。

死後事務委任契約 中條レポートNo239

人が亡くなった後に行う手続はたくさんあります。

死亡届に始まり、遺体の引取り、葬儀、納骨、知人への連絡等々多種多様です。
これらは通常は親族が行います。では親族がいない方、いても縁遠くなっている方は、自分が亡くなった後どうするのでしょうか。

 このような悩みに応えるため、生前に自分の死後の手続を第三者にお願い(委任)するのが死後事務委任契約です。

但し「私が死んだら、財産を○○に与えてくれ」というのは遺言で行うことです。死後事務委任契約では出来ないこともあることに注意です。

死後事務委任でお願いする代表的なことは
葬儀・納骨、納骨後のお墓の管理。住居の明渡し、家財の処分。医療費等の未払い金の精算。親族・知人への連絡。各種届出、公共料金の支払い停止。等々です。

 有用な制度ですが問題点もあります。

本人死亡後に行う手続ですので、当然本人はいません。また、委任してから死亡するまで時間があるため、実行性に問題が出ることもあります。

また死後事務委任契約は近時でてきたものです。
「死後事務委任の内容が遺言事項に抵触するか否か」等は事例の蓄積が少なく、実務上の判断が難しいことが多いのが現状です。

委任事項に相手方が応じてくれるか(相続人等しか出来ないと定めている事項も多い)も問題です。受任者では手続が出来ないこともあるからです。

また、手続をスムーズに進めるためには、相続人と協力して行うことも必要になります。本人が亡くなると、委任者の地位は相続人に移るため、受任者は相続人への報告義務があるからです。(但し、契約には相続人は原則・契約内容を変えられない旨を記載します。相続人が内容を変えることが出来たら、委任者の意図通りに出来なくなるからです)

独居高齢者が増えています。死後事務委任契約に対する需要も増えるでしょう。
「本人にとって何が問題になるのか」
総合的な視点から、制度利用の適否、利用するのであればどのような契約内容にするのかを提案し、心配無く暮らしてもらえるようにしたいものです。

相続手続 中條レポートNo237

人が亡くなると様々な手続を行わなければなりません。

施設や病院で亡くなられた場合は葬儀屋さんへの遺体の引取依頼から始まり、近親者への連絡、死亡届、葬儀の手配、菩提寺へ連絡、等々悲しみのなか行います。

 葬儀を終えた後も、公共料金等の引落口座変更、遺品整理、公的な各種書類提出、遺族・未支給年金の請求、準確定申告、等々、あわただしい日々が続きます。

そして気になるのが遺産をわける手続です。
遺言が有る場合、無い場合、相続税が課税される場合、されない場合、それぞれ手順は異なりますが、早めの対応を心がけます。

特に相続税が課税される方は申告納税期限があります。期限までに遺産分割を終了させ、税金を納めるスケジュールを意識して手続を進めなければなりません。

遺産分割手続は、受け取る財産は同じでも、分け方は様々です。相続人間の事情、遺産の性質にあった方法を選択していきます。

例えば預貯金の手続。

代表相続人の方が全ての預金を取得し、代表相続人から他の相続人へ振込む方法。亡くなられた方の預金口座から、それぞれの相続人へ振り込む方法。相続人間の関係、預金の種類、等々により選択していきます。

不動産の分け方も様々です。最近は不動産そのものを分けるのではなく、不動産を売却した代金をわけることが増えています。売却する方法も選択です。

代表相続人が売却して、他の相続人に売却した代金を分ける方法。相続人全員で不動産を共有で相続し、相続人全員で売却代金を取得する方法。

不動産を売却し利益がでると譲渡所得税が課税せれます。また所得が発生すると、翌年の医療や介護に関する保険料や実費に影響する場合があります。これらを考慮して、同じ売却価格でも手取額が多くなるような手続を選択することもあります。

また「時間をかけて高く売るか(一般の人へ売却)」「多少安くても直ぐに売却(不動産業者へ売却)し早期に手続を終了させるか」の判断も重要です。

相続手続の道筋は一つではありません。故に、相続コンサルタントは最適な道を選んで手続を進める「道案内人」になることが求められます。

真っすぐ上げて、真っすぐ下す 中條レポートNo236

 私が通っている相続専科野口塾の塾長・野口賢次先生のレポートです。毎月欠かさず発行し今年1月で292回(24年超)。そのなかの一つをご紹介します。

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(前略)
人生は人との出逢い、師との出逢いで決まると申します。刃筋が通り真っすぐ下りた剣は相手の剣をはじき、肉を切らせて骨を切ります。「真っすぐ上げて、真っすぐ下す」師である道場の館長(小野派一刀流師範)から教えていただいた一刀流の極意です。
(中略)
昭和の剣道ブームのころ、地元の剣友会で小学生の指導をすることになりました。剣道は正しい面打ちができれば、ほかの技は自然と身につきます。ここは徹底し指導しました。

子どもたちの剣筋は素直で、剣道大会では相手に胴を抜かれたり、小手を打たれたり、試合ではなかなか勝てません。「なんでうちの剣友会は勝てないの?」内心お母さんたちは不満です。これでいい、これでいいのです、もう少し我慢と説得します。

小手先の技を教えれば試合では勝てますが、いずれ行き詰まります。「大きく振りかぶり、真っすぐ打ちこむ」は原点です。主宰している相続野口塾もこの精神を20年間つらぬいてきました。

正しい剣筋を身につけた子どもたちはメキメキと頭角をあらわし、剣道大会では上位を占めるほどになりました。教え子たちは揃って地元の中学校に入学し剣道部に入りました。

玉川中学校剣道部が川崎を征するのに時間はかかりませんでした。学校の廊下には笑顔で優勝旗をかこんでいる当時の子どもたちの写真が飾ってあります。

教え子たちは剣道を通し成長し、社会に出てからも立派に活躍しています。「真っすぐ上げて、真っすぐ下す」一刀流の極意は全てに通じる極意でもあります。

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野口塾では相続を幸せに導くため、「技」(知識・現場対応力)と「心」を磨いています。その基になるのが

「真っすぐ上げて、真っすぐ下す」

実務で迷った時、ここに帰ると答えが出ます。

今年も、この教えもと一歩一歩精進していきたいと思います。

きずなチーム 中條レポートNo235

超高齢化社会においては、地域住民で支える福祉が大切になります。

この役割を果たすべき活動の一つに、小田原市のボランティア活動「きずなチーム」というものがあります。地区ボランティア、自治会関係者、民生委員、老人クラブ会員、チーム趣旨に賛同された方、等で構成されています。

主な活動は、日常生活のなかでの高齢者等への“さりげない見守り”です。

地域に住む独居高齢者を把握し、その人の家の変化(郵便物が貯まっている、雨戸が閉まったまま、等々)に注意し異変があれば、対応できる部署に報告をします。

 “さりげない”でよいのです。何も意識しなければ見過ごしてきたことが、意識するだけで問題を発見でき対応出来るようになるからです。

ここから一歩進めた行動が、ご自宅を訪問する、手紙を書く、サロン等の活動に誘うことです。

 意識するだけです。この小さな変化が地域福祉を変えていきます。住民から変わっていくのです。この活動が広まっていくことが、本当の地域福祉が形成されていく第一歩になるのではないでしょうか。

 そして“さりげない見守り”が成年後見促進法における後見制度の普及においても重要となります。

促進法の目的の一つに、意思能力の衰え初期の人に後見制度を利用してもらい、その人らしい生活をすごしてもらうことがあります。(中條レポートNo229233参照)

この目的を果たすための最初のハードルが、意思能力の衰えの初期の人で、暮らしに支障が必要な人の存在を知る事なのです。(この方々は自分から困っていると声を出す人が少ないからです)

きずなチームはこの方々たちの存在を教えてくれます。

 

日本人は元来、近隣の方々で支え合う文化を持っています。昨今、ここが希薄されていると言われていますが、元に戻すことは出来るはずです。

その第一歩も“さりげない見守り”をするという個々人の意識の変化ではないでしょうか。福祉は地域住民で支えることが出来ると気がつくきっかけになるからです。

配偶者居住権 中條レポートNo234

今年4月スタートの話題の配偶者居住権。配偶者が亡くなるまで自宅に住める権利です。夫死亡後、残された妻の生活の場の確保というのが制定された主旨です。

しかし、本来の目的で利用する人がどれだけいるでしょうか。それよりも節税目的で利用する人が増えるのはないかと言われています。

自宅の土地建物の価値が1億円。夫死亡で妻が配偶者居住権を取得し、長男が配偶者居住権という制限が付いた土地建物を取得したとします。

このときの相続税評価を配偶者居住権5,000万円、制限が付き土地建物を5,000万円とします。(妻の年齢等でこの評価額はかわります)

次に妻が死亡した場合どのようになるでしょうか。

配偶者居住権という土地建物に付いている権利は消えてなくなります。(長男に権利が移転するのではありません)

消滅した結果、制限が付いていない完全な土地建物(時価1億円)を取得します。

気になる税金はどうなるのでしょうか。

長男の資産価値が5,000万円増えたにもかかわらず、長男には相続税も贈与税も所得税も課税されません。無税で資産価値が増えるのです。

これが節税対策に使われる理由です。

 しかし注意が必要です。必ずしも節税効果があるとは限らないからです。

小規模宅地の特例(居住用不動産に対し、一定の要件を満たすと大幅な減税効果がある制度)の適用状況、財産額、等々で配偶者居住権を利用することで税金が増える場合もあります。

亡くなった方が一人で暮らしていた居住用不動産を売却する場合の空家特例(利益が出ても3000万円まで課税されない)は配偶者居住権で暮らしていた住宅には適用されません。最終的に売却を予定している場合は注意が必要です。

また、死亡以外でも配偶者居住権が終了する場合があります。具体的には妻が施設入所したような場合です。その場合は上記と違い税金に注意です。(詳細は税理士へ)

 夫が亡くなった後、妻が生存する平均期間は約17年。
配偶者居住権は長期的な視野で様々なケースを考え検討していく必要があります。

税理士をはじめとした専門家のアドバイスが欠かせません。

代理意思決定から意思決定支援へ 中條レポートNo233

認知症等で意思能力が衰えた方(以下「本人」という)を支援する成年後見制度。
この制度のキーワードは「本人のため」です。「本人のために」を実現するための理念のひとつが「自己決定の尊重」です。

それでは後見人等の支援者が、本人にとってよいと思うことを決め(代理意思決定といいます)、決めたことを本人の代わりに実行していくことは「自己決定の尊重」になるでしょうか。

自分のことを自分で決められないのです。自分らしく生きていくことにはならないでしょう。しかし成年後見の現場では多く行われているように思います。

代理意思決定でなく、意思決定を支援することが大切だと言われています。
意思能力が衰えると、自分で決めることが億劫になったり、困難になってきます。そんな時、意思決定が出来るよう手助けをするのです。

「自分で決めたことを実行していく」このことが本人らしく暮らす源となります。
もちろん、本人にとって危険があったり、本人の生活を脅かすことは阻止していかなければなりません。

意思決定支援の必要度が高いのは、意思能力の衰えの初期段階の人で、該当者は相当数いると言われています。(もちろん衰えが進んでいる人も必要です)しかしこの段階の人は後見制度を利用しなくても暮らせていけるので、普及が進んでいないのが現状です。国はこの段階の人たちに後見制度を普及させようとしています。

但し、意思決定支援では下記事項の注意が必要です。
1、本人の言葉をそのまま本人の自己決定と捉えていないか。本人が決めたのだから、本人の自己責任だと支援者の責任を逃れていないか。
2、支援のしやすさを優先していないか。支援のための根拠付けになっていないか。3、サービス先にありきの既存サービスを当てはめるだけの検討に終わってないか。4、結論が先にありきになってないか。後付けの根拠資料として使われていないか。

どれも陥りやすい事項ばかりです。代理意思決定に慣れた現場で、自己決定支援を実行していくことは並大抵のことではありません。
支援する者の意識改革が必要です。

遺留分制度 中條レポートNo232

遺言によっても侵されない最低限主張出来る遺産の取り分が遺留分です。
民法改正により遺留分制度が大きく変わりました。その内の一つを解説します。

 母親が亡くなり相続人が長男、二男の二人だとします。(債務はないとします)
「全ての財産を長男に相続させる」
という遺言があっても二男は次の金額を請求出来ます。

遺産総額×遺留分率(4分の1)①二男が生前に受けた贈与(特別受益)
を主張出来ます。そして、この遺産総額とは次のように計算します。
「亡くなった時に持っていた財産+➁長男・二男が生前に受けた贈与(特別受益)

 ➁の長男・次男が受けた贈与が民法改正で変わりました。
「亡くなる10年前までの贈与」という期間の制限が出来たのです。10年より前の贈与は、遺留分額を計算する上での価格に含まれないことになりました。

 早く贈与すれば遺留分計算に含まれないため早期贈与を促すことになりそうです。
そのため10年過ぎたことを証明するための贈与の日付が大切になります。
不動産であれば登記されるため日付は明かですが、金銭は不明確になりがちです。銀行振込にする等で贈与の日付を明確にすることが必要になります。

但し、10年以上前でも明らかに遺留分を侵害するとわかって行った贈与は遺産総額に含まれます。例えば、「年金等の収入が少なく今後金銭を蓄えることが難しい母親の唯一の財産である不動産の贈与を受ける」等です。注意が必要です。

 遺留分請求金額を算出するうえで、もうひとつ注意点があります。
それは上記計算式で差し引く➀の二男が受けた贈与には10年より前のものも含まれることです。請求金額から差し引く請求者が受けた贈与には期間制限がないのです。

上記の改正点は遺留分を請求する人にとって不利な改正です。
昔、行った贈与は確かな証拠がないことが多く、いたずらに争いを長引かせることになるためではないでしょうか。遺留分の争いを減らしたい意図を感じます。

今回の民法改正で遺留分問題には適切なアドバイスが欠かせなくなります。