天道と人道 中條レポートNo272

二宮尊徳翁のことを記した「二宮翁夜話」(致知出版社)からです。

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天には善も悪もないのであって、善悪は人道で立てたものだ。たとえばいろいろな草木に、どうして善悪があろうか。それを人間から見て、米を善、葉草を悪としている。食物になるかならないかで区別するからだ。天地は決してそんな区別をしない
<中略>
そもそも人間は米食い虫だ。この米食い虫の仲間で立てた道は、衣食住になるべきものを増殖するのを善とし、この三つのものを損害するものを悪と定めている。人道でいうところの善悪は、これを定規とするのだ。

この定規に基づいて、人間のために便利なことを善とし、不便なものを悪として立てたのが人道なのだから、人道が天道と別個なことはいうまでもない。けれでも、天道に背反するというのではない。天道に従いながら、違うところがあるのが人道なのだ。

また次のようにも言っています。

世界のうちで法則とすべきものは、天地の道と、親子の道と、夫婦の道と農業の道との四つだ。
天が生命の根源の徳をくだせば、地はこれを受けて万物を発生させる。親は子を育てるのに損得を忘れて、ひたすらに成長を楽しむし、子は育てられて父母を慕う。夫婦の間でもお互いが楽しみ合って子孫が相続する。農夫は勤労し植物の繁栄を楽しみ、草木はまたよろこんで繁茂する。

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「天道に従いながら違うものがあるのが人道」

この言葉は意味が深いです。人が生活を営もうとすると、天道と違ってしまうことがあるのは避けられません。しかし根本的なところで天道に背いてはいけないということだと思います。

続く、四つの法則はシンプルで、全てのことがこの法則に当てはまると思います。

一日の終わりに、今日あった出来事を振り返りこれらのことを考える時間を持ちたいものです。それが明日への第一歩になると思います。

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