相続人を幸せの道へ案内する 野口レポートNo319

野口塾の塾生に司法書士の中島 誠さんがいます。円満相続を目指し、相続人の幸せのため日々奮闘しています。修羅場もくぐってきました。熱い心を持った志を同じくする仲間です。

以下は中島さんの言葉です。

「相続問題は法律、金銭、生活、心が複雑に絡み合っています。

相続アドバイザーは相続人の幸せを求めて複雑な問題に取り組みます。相続アドバイザーに求められるものは、専門知識は勿論の事、高い人格が求められます。高い人格は汗(苦労)を正しく消化した者のみが具わる格だと考えます。

高い人格を備えた相続アドバイザーだからこそ、相続人の複雑に絡み合った心を解きほぐし、専門知識を知恵に変えて法律、金銭、生活の問題を解決し、相続人を幸せの道へ案内することができるのではないでしょうか。」

私の好きな言葉です。相続アドバイザーとして仕事の本質を語っています。この言葉は塾生が共有できるよう、野口塾のセミナールームに飾ってあります。気持ちがブレそうになった時など、これを読んで心を引き締めています。

相続人の経済的利益だけでなく、精神的利益をも守って差し上げることができる「立ち位置」にいるのが相続アドバイザーです。

◎高齢のAさんから相談を受けました。平成20年の相続の話です。士業の「ボタンの掛け違い」が原因で、問題がこじれてしまい、今日まできてしまいました。Aさんは15年間この相続問題が頭から離れず気を病んでいました。

今までの経緯や状況からして、弁護士に依頼し対応してもらうのがベストであると判断しました。

Aさんの譲る心と、家族の協力、弁護士先生方の尽力が功を奏し、調停も無事に成立し、15年間塩づけだった相続問題がようやく解決し、Aさんも安堵されたことと思います。

◎地主の息子に嫁いできたBさんからの相談です。Bさん夫婦には子がいません。夫が50代の若さで急逝しました。相続人は配偶者のBさんと夫の母親です。「先の相続(父親)で弟が取得した不動産は母親に相続させなさい。」と義姉が口を出してきました。Bさんは法律相談を渡り歩き、憔悴しきった顔で私のところへみえました。「うつ」の扉を開き、すでに片足を突っ込んでいる状態です。

3時間話を傾聴し、心の内を全部吐き出してもらいました。私の答えは「財産でなく自分の幸せを取りましょう」でした。Bさんは当時48才です。大事なことに気付き号泣し我に返りました。

いくら財産を取得しても、その後の人生を「明るく 楽しく 健康」で過ごせなければ相続の意味がありません。吹っ切れたBさんは先ほどとは別人の顔をして帰りました。ふたつの小さな相続案件でしたが、相続人を幸せの道へ案内することができました。

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