暦年贈与 中條レポートNo174

相続税対策には様々なものがあります。
しかし、相続税対策のキーワードは簡単・安心・長続きです。

難しい対策は効果が大きくても、税制改正や親族状況の変化で効果がなくなることが多いからです。(効果が大きいほど、税制改正で蓋をされやすい)

そこで一番使われているのが毎年行う金銭贈与。
「あげます」「もらいます」のお互いの意思が合致したら、銀行へ行って振り込むだけでOKだからです。

年間110万円までは非課税。
500万円贈与しても税金は48.5万円(20歳以上の子・孫への贈与)
複数の子や孫に、何年もかければ、かなりの額が贈与出来、確実に贈与者の財産が減り、相続税対策になります。

しかし……

年老いてくると、銀行に行き手続するのが面倒になってきます。まして最近は振込詐欺防止のため、高齢者が多額のお金を振り込もうとするとチェックが厳しくなります。

そこで登場したのが暦年贈与信託。信託銀行が取り扱っています。
信託銀行にまとまったお金を信託します。あとは毎年いくら誰に贈与するかを信託銀行に依頼するだけです。信託銀行はお金を貰う人から受贈の意思確認をして手続します。
手続が簡単なため需要が増えているようです。

もっと簡単な方法があります。(信託銀行の商品には制約もあります)
お金を信頼出来る親族名義の預金に預けるのです。
そして、いくら・誰に贈与するかを親族に依頼します。親族はお金を貰う人から受贈の意思確認をして手続します。親族名義の預金ですから親族が振込を出来るのです。
注意することは、親族名義の預金に預入れたお金は贈与する人のお金で、親族のお金でないことを他の親族間で明確にしておくことです。
後日、相続が起きたとき、この預金に残高があれば、贈与者の預金として遺産分割の対象となり、相続税の課税財産となることを明確にしておくことです。

暦年贈与を利用した相続税対策も状況に応じて様々な方法が考えられます。
貰う人の資金使途も考慮して総合的な判断のもと実行することが大切です。

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