「神ながら」

日本民族の世界観は、一口にいえば「神ながら」である。
神ながらとは、民族生命の原始無限流動の展開をいう。
そしてこれが、明治維新まで儒仏の文化を摂取し溶融したが、
ついで維新以後は、西欧文化の摂取を容易ならしめてきた根源力である。
[ 森信三 一日一語 ] より

神国日本の所以です。
神から与えれた力を活かすことです。

第52回相続プラザセミナー

題目/成年後見制度と相続 参加費用/無料 要予約
日時/H31210() 時間13:3015:30
場所/マロニエ会館203号室
講師/中條 尚
主催/相続プラザ小田原 行政書士中條尚事務所

超高齢化社会。意思能力の問題は身近な問題です。父の土地を売りたいが、意思能力が無いから売れない。遺産分割をしたいが相続人の母が認知症。等々。
こんな時に利用するのが成年後見制度です。後見とはどんな制度か、注意する点は、具体的に何をするのか、等々、知っておくべき内容をお話します。
円満な相続を迎えるためにも後見の知識は大切です。後見と相続の関係についてもお話します。

共有地の悲劇 中條レポートNo211

それぞれが合理的判断の下、利己的に行動し、非協力状態になってしまった結果、誰にとってもデメリットになってしまうことを示唆したモデルです。

ある共有の牧草地があり、5人の村人がそれぞれ20頭ずつ羊を飼っています。ここには羊100頭分の牧草しかありません。また、この羊は1100万円で取引されますが、羊が1頭この牧草地に増えると、餌となる牧草が減り、栄養不足のため99万円になります。以後、1頭増える度に、1万円ずつ取引価格は下がっていきます。
村人の一人Aが、自分の利益を高めたいと考え1頭羊を増やしました。結果、村人A2079万円の利益を得ました(21頭×99万円)。しかし他4人の村人は、1980万円と取引高が減りました(20頭×99万円)
それを見た他の4人の村人も利益を高めたいと考え、1頭羊を増やしました。
結果、羊は5頭増え、一人当たり1995万円(21頭×95万円)となってしまいました
適正な頭数100頭のときに受け取れる利益2000万円(20頭×100万円)より少なくなってしまったのです。
さらに皆が頭数を増やしたため、牧草地は荒れ果て使えなくなってしまいました。
周りと協力すれば誰にとってもいい結果であったものが、自らの利益追求図ろうとしたため、最終的には誰にとっても悪い結果になってしまうことを意味したモデルです。

このモデルが環境問題に引用されています。
世界のいたる所で、個々の利益を優先し環境が破壊されています。その結果、世界全体が自然災害の脅威にさらされています。

 家族でも見られます。その象徴が相続争いです。
兄弟の一人がたくさん財産をもらおうとします。(羊を増やそうとする)
そして他の兄弟も、たくさんもらおうとします。(皆が羊を増やそうとする)
結果、相続争いを行い、裁判を行い、費用・時間を費やします。そして心身は疲れ果てます。(羊の価格の低下)
加えて、兄弟姉妹の縁がきれてしまいます。(牧草地が荒れ果て使えなくなる)
円満に分ければ、相続した財産で皆が幸せになれるのに、逆に不幸になっていきます。

国、企業、個人、皆が陥る悲劇です。出来れば防ぎたいものです。

実務家から見た相続法改正 野口レポートNo267

平成30年7月6日に相続法の改正が成立しました。平成31年1月13日から2年後の7月13日までに順次施行されていきます。法律家ではなく実務家として今回の改正の要点をお伝えしたいと思います。
《配偶者居住権の新設》
◎夫が亡くなったあと、自宅を配偶者が相続すれば住み続けることができます。だが配偶者の相続分は1/2です。一般家庭の財産構成は、自宅土地建物(約3000万円)、預貯金が3000万円位でしょう。
1/2の相続分で住居は確保できますが、他の相続人に権利を主張されたら預貯金は相続できず、生活費が確保できません。配偶者の目的は自宅の所有でなく生涯住めることです。居住権があれば目的は足ります。
所有権に比べ居住権の財産評価(推定余命で異なる)は低いです。余った相続分を預貯金の相続に回せます。この法律の裏には親子関係の希薄が存在します。普通の親子ならこんな法律は不要のはずです。
《自筆証書遺言に関する方式緩和》
◎自筆証書遺言の法的要件に「全文を自分で書く」とあります。土地などの財産が多く、まして高齢なら全部自分で書くのは至難の業です。
今回の改正で、財産目録はパソコンや、通帳の写し、不動産登記簿謄本の写しでもよし、ただし各ベージに自筆で遺言者の署名押印が必要となります。今までに比べ使い勝手が数段向上します。
申請すれば法務局が本人確認をし、かつ法律上の要件をチェックし(封印不可)保管します。保管すると家裁の「検認」を省略できます。検認不要はメリットが生じます。法的要件を欠き無効になるものや、要件を満たしていても受遺者や物件が特定できず、使えない自筆証書遺言は驚くほど多いです。法務局のチェックで無効の遺言は減るでしょう。
《預貯金債権の払い戻し》
◎預貯金は可分債権として、遺産分割協議を経ず法定相続分で相続人が払い戻しを受ける権利がありました。だが平成29年12月29日の最高裁の判例変更で、遺産分割を経なければ払い戻しができなくなりました。争ったら払い戻しはできません。相続人は当座のお金に困ってしまいます。そこで救済処置として、遺産分割を経ず銀行の各口座ごとに1/3までなら仮払いを受けられるようになります。 計算式⇒1口座ごとの相続開始時の預貯金×1/3×1/2(相続人2人の場合)=仮払金。
◎だが、遺言や死因贈与で指定されている預貯金は除くとあります。遺言の存在が分からない銀行は、保身を考え相続人全員の承諾を求めてくる可能性があります。それでは仮払いの意味がありません。この制度が目的通り機能すればよいのですが。
《特別寄与者による特別寄与料の請求》
◎民法には寄与分制度がありますが、相続人のみに適用され義父母の介護をしたお嫁さんには権利がありません。改正で被相続人の特別な介護をした一定の親族やお嫁さんは、各相続人に対し特別寄与者として特別寄与料を請求できます。ただし、介護に費した「肉体的」「精神的」な、大きな負担が相応に対価に反映するかは疑問です。

判断

学問や思想の世界においてさえ、
真に自分の眼で物を見、自己の頭でその真偽・優劣を判断せずに、
広義の世評を基準としてしか物の判断できない人が多いということは、
真に嘆かわしい極みである。
[ 森信三 一日一語 ] より

広義の基準から抜け出すのは至難のわざです。

批判

人は他を批判する前に、まず自分としての対策がなければならぬ。
しかも対策には何よりも着手点を明示するを要する。
この程度の心の用意なきものは、他を批判する資格なしというべし。
[ 森信三 一日一語 ] より

資格なく批判することはやめましょう。

真価

人間の真価を計る二つのめやす・・・。
一つは、その人の全智全能が、一瞬に、かつ一点に、どれほどまで集中できるかということ。
もう一つは、睡眠を切りちぢめても精神力によって、
どこまでそれが乗り越えられるかということ。
[ 森信三 一日一語 ] より

なるほど。
と思える言葉です。

履物を揃える

地上の現実界は多角的であり、かつ錯雑窮まりない。
随って何らかの仕方で常にシメククリをつけねば仕事は進まない。
そしてそれへの最初の端緒こそハキモノを揃えるしつけであって、
それはやがて又、経済のシマリにもつながる。
[ 森信三 一日一語 ] より

履物を揃える。
ここからはじまります。

配偶者居住権と信託 中條レポートNo210

民法相続法改正で新しく出来た配偶者居住権(以下「居住権」という)。夫死後、妻が亡くなるまで自宅で暮らせる権利です。但し居住権は、売ることが出来ません。(建物所有者の承諾なければ貸すことも出来ない) また、遺言や遺産分割、家庭裁判所の審判で与えられます。黙っていては貰えません。

こんな相談がありました。
本人A 75歳。30年前に別れた先妻との間に子供Bが一人(50歳)います。現在、後妻C70歳)と二人で暮らしています。後妻Cとの間に子供はいません。Aさんの財産は自宅(評価約2,000万円)と預金2,000万円です。※後妻Cと子供Aとは仲が悪い。

Aさんの要望
・後妻CにはAさんの死後も自宅で暮らせるようにしてあげる。
・後妻Cには生活費も不自由させたくない。
・後妻の死後は自宅を、子供Aにあげたい。(後妻Cの兄弟には自宅をあげたくない)

こんな希望を叶える方法として信託があります。
自宅と預金を信託します。Aさんが亡くなるまではAさんが受益者です。Aさんが死んだら、妻は受益者として自宅に住み、預貯金を生活費に使います。妻が死んだら、信託を終了させ、自宅と預貯金の残りを子供Aが取得します。

しかし、問題なのは誰を受託者にするかです。
後妻Bと中が悪い子供Cを受託者にするのは問題があります。
しかし、他に受託者になってくれる人がいない。

 こんなとき、居住権を活用したらどうでしょう。
遺言で、自宅は子供Bに相続させます。但し、自宅には居住権を設定し、後妻Cが亡くなるまで自宅で住めるようにします。預貯金は後妻Bに相続させます。
後妻Cが亡くなると居住権は消滅しますので、子供Bが自宅を自由に利用出来ます。(死亡時に残った預貯金は、後妻Cの兄弟が相続しますが止むを得ないでしょう)

居住権は不透明な部分(居住権の価格。等々)が多いです。しかし相続実務にこの知識が不可欠になったことは間違いありません。幸せになるための手段として活用していかなければなりません。

20年後にまさかの再会 野口レポートNo266

50歳で一念発起し、ガソリンスタンドから180度の転身をし、不動産業をベースに、相続に特化した仕事に就いて23年になります。

相続一筋ひたすら23年、今までに1000件近くの相続にかかわってきました。失敗した思い出深い相続案件もあります。

未知の世界に飛び込み、開業当時は不安と緊張の毎日でした。最初に相談を受けた相続案件です。父親が亡くなり(母親は他界)相続人は7人です。遺産は、自宅、アパート、預貯金です。相続人は互いに譲らず遺産分割はもめていました。

転業し最初のお客様です。前向きな気持ちで引き受けました。開業当時は専門家のネットワークも乏しく、実務の経験もありません。今まで学んできた机上の知識と相続人の幸せを願う心が支えでした。

今思えば無謀な受託でした。「感謝と譲る心」など通じません。頑張りましたが、遺産分割はまとまりませんでした。自分の手には負えないと、丁寧にお詫びしこの相続案件から手を引きました。

それから20年が経ち久々にご長男に会いました。20年も前の相続です。とっくにかたづいているものと思っていました。ところが未だに進展がなく未解決で、遺産も塩づけ状態とのことでした。

私も当時とは違います。今の自分ならできると確信し、20年前に挫折を味わった、この相続案件を再び引き受けることにしました。

 

当時は聞く耳を持たなかった相続人も、歳を重ね以前とは考えも変わり、自分達の代で解決したいという気持ちになっています。解決するにはラストチャンスと思いました。

ところが状況は20年前とは変わっていました。相続人の1人が亡くなり、1人娘が代襲相続人となります。娘は前婚の夫との間に2人、再婚の夫との間に1人、合計3人の子供がいます。

不幸にも交通事故で亡くなり、再代襲が生じ本来の相続人と合わせて9人に枝分かれし、80代と20代の相続人が混在しています。

長男が主な不動産を相続し、払える範囲の代償金を他の相続人に払うことで6人は合意しました。あとは3人の代襲者です。

会ってみると3人とも素直な子でした。今までの事情と経過を丁寧に説明しお願いしたところ、心を開いてくれました。代償金の3分の1ずつを受け取ることで承諾してくれました。

ここで新たな問題が生じました。相続人の1人(Aさん)が生活保護を受けています。代償金を受け取ったら保護を打ち切られてしまう可能性があります。Aさんは一時的な代償金を受け取るよりも、将来において安定した生活保護を受けることを望んでいます。

役所の担当部署に行き、正直に状況を話しアドバイスを受けました。受け取った代償金は受給してきた生活保護費の返還にあて、結果として従来通り保護を受けられることになりました。

一度挫折した最初の相続案件です。まさか20年後に再び引き受けるとは夢にも思いませんでした。無事に完了し相続人全員から「ありがとうございます」と感謝され感慨深いものがありました。