事業承継税制

6月21日特別研修講座を開催しました。 題目は「相続税・贈与税はこう変わる!使いやすくなった事業承継税制」、講師は斎藤紀明氏(㈱国土工営・SA協議会常務理事)です。

事業承継税制は相続税・贈与税の納税猶予です。 免除されるのは、財産を受けた人が亡くなった時、等かなり先になります。 その間、要件を満たさなくなったら利子税を含め納税しなければなりません。 リスクある納税制度です。

それでもこの制度を使いたいという人はどんな人でしょうか。 「納税するお金を猶予してくれるなら、そのお金を使ってもっと稼げる」 と考える積極的な経営者です。

このような経営者を支援するためか、平成27年1月からこの制度が以下のように使いやすくなります。

・経済産業大臣の事前確認制度が廃止されました。(平成25年4月実施)
・親族でない人への事業承継にも使えるようになります。
・雇用8割要件が5年間の平均で8割を超えていればよくなります。
・利子税が下がると共に、5年を経過した後、猶予打ち切りになっても当初5年間分の利子は免除されます。
・贈与の場合の贈与者の役員退任要件が緩和されます。 役員を退任しなければならない規定を代表者でなければOKとなります。 これにより贈与者の元社長が会社に残り報酬を貰らうことが可能になります。
・その他。

今回の改正は、この文面だけでは言い表せないような使いやすさを制度利用者に与えます。 アドバイザーとして大切なのは、 ①この制度の利用を希望するかどうかの意向確認を行は必ず行うこと。(後で何で説明してくれなかったのかと言われることがないように)。 ②意向があれば速やかに要件に適合するかを確認すること。

斎藤氏はこの制度の利用者は増えるだろうと感じています。 この制度の提案が出来ずして事業承継アドバイスは出来ないと感じる講座でした。

ありがとうございます。

冷奴

”なるようにしかならぬかと冷奴”

先日届いたはがき句集の中の一句です。

意味がよくつかめませんが、
なんとなく気持ちが伝わってきます。

私の勝手な解釈。
いろいろ考えてみたけど、結論はなるようにしかならない。
そう思ったら気が落ち着いた。
そのときの食卓に一品、冷奴が…….。

という情景が目に浮かびました。

”情景が目に浮かぶ”
詩を読む楽しみです。

不動産鑑定

6月19日相続アドバイザー養成講座の第15講座が行なわれました。

題目は「鑑定評価による適正な時価評価とは」です。
講師は芳賀 則人氏(不動産鑑定士)です。

「何故、不動産の鑑定評価が必要か」
このことを頭に刻んでもらいたいという芳賀氏の願いが伝わってきます。

不動産の時価を鑑定するのが不動産鑑定士です。
時価が求められる場面は。
①相続税評価(財産評価基本通達による評価) > 時価
②遺産分割で公平を期する時。

下記のような土地は①の可能性があります。 
・市街地山林
・建築不可物件。
・道路との高低差のある土地。
・極端な不整形地。
・別荘地。
・私道。
・その他

このように過大に相続税評価をしている可能性のある土地が結構あります。
率にすると5%位。 
20ヶ所土地を持っている地主さんは1~2ヶ所持っていることになります。
その土地をみつけ、不動産鑑定による適正な時価評価で相続税の申告することが求められます。
そのためにどんな土地が 相続税評価 > 時価 となっているかという感性を持つことが大事です。

広大地の適用可否は相続税額を大きく変えます。
評価が路線価の半分位となるからです。
広大地が適用出来ない土地は
①マンション適地
②分譲するのに道路が必要ない土地。
この判断が難しい。
現在3階建て賃貸マンションが建っている土地は適用不可か?
そんなことはありません。
経済的に最も合理的に活用出来る利用方法(最有効利用)における価格です。
賃貸マンションが最有効利用とは限らないからです。

”時価” この難しい値を社会的な役割を担うため日々算出している芳賀氏ならではの講座でした。
ありがとうございます。

”自我”と”業”

自我と業。
どちらも生きていく上でなくてはならないもの。

自我とは
自分と他を区別するもの。

業とは
過去の知識や行為をたくわえる意識。

この二つが大きくなると、
自分と他者に高い壁をつくり、「自分さえよければ」となる。
過去の経験や知識から「自分が絶対に正しい」と思いこむ。

年を重ねるとともに知らぬうちに大きくなる。
ここを正していくためには日常の心の置き方、行動のなにげないひとつひとつを正していくこと。

一歩一歩。

農民一揆

一揆を扇動した者、その家族は死罪となる。
磔(はりつけ)の死罪。

その覚悟で一揆を扇動する。
武士も農民と戦うことによる損害を考え農民の要望を受け入れる。
武士の責任者も受け入れた罪で切腹する。

扇動した農民の子供まで死罪。
「残酷だ」と誰もが思う。
しかし、この残酷さが秩序を保つ役割を担う。

殺し合いをせずに、事をおさめるぎりぎりの攻防なのだ。
農民、武士の責任者も最初から死を賭している。

日本文化の神髄を感じるところだ。

話題沸騰相続増税

週刊ダイヤモンド
相続・贈与・節税 完全ガイド。

先日、本屋の店頭で購入しました。
日付を見たら2月23日号でした。

4ヶ月前の週刊紙がまだ売られている。
買う人がいるからです。
それだけ相続税増税の話題が旬なのです。

相続は思いを次世代につなげる人生最大で最後のイベントです。
税は法律の世界を超越しているものです。
目先の変化に惑わされないよう心がけたいものです。

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相続・成年後見・不動産のご相談は
行政書士中條尚事務所

競馬が雑所得

以前話題にした競馬の所得問題。
国税不服審判所の一時所得との判断に納税者が大阪地裁に提訴しました。

馬券の払戻金は雑所得、馬券購入費用は必要経費との判決が出ました。
通常は一時所得ですが、恒常的に所得を生じさせ得るものであったから、雑所得としました。

よって、はずれ馬券も軽費となります。
納税者側の主張を認める判決です。

しかし、単純無申告犯は成立すると判示して懲役2ヵ月、執行猶予2年だそうです。

不動産と相続

昨日相続アドバイザー養成講座で講師を務めました。
題目は「不動産取引による相続コンサル」です。

不動産の特性には不動産そのものの特性と不動産取引の特性があります。
不動産の特性(個性)により遺言、遺産分割の方法も変わってきます。
取引の特性では相続で取得した不動産を納税のため、分割のため売却する注意点を説明しました。

不動産売買で相続問題が根底にある場合があります。
依頼者の話を聴くことにより、何故そのように考えたのかを知ることが大切です。
相続に対する、間違った知識、思い込み判断しているのであれば、修正してあげることも大切です。

相続したくない不動産。
価値0の不動産はたくさんあります。
しかし、その不動産も誰かが相続しなければなりません。
不動産は捨てられないからです。
そして不動産は、自然災害、事件により大きく価格が変動する財産だということを認識しておく必要があります。

相続財産に占める割合が大きい不動産。
この不動産をどう扱うかが円満な相続を実現させるため重要です。
「不動産会社の人は相続コンサルをするよい位置にいる」
「不動産会社以外の人はネットワークに相続に強い不動産会社の人が必要」
冒頭お話したこの二つのことを感じてもらえたのではないかと思います。

ありがとうございます。

死の淵③

「その時、もう完全にダメだと思ったんですよ。
椅子に座っていられなくてね。
椅子をどけて、机の下で、座禅じゃないけれど、胡坐をかいて机に背を向けて座ったんです。
終わりだっていうか、あとはもう、それこそ神様、仏様に任せるしかねぇっていうのがあってね」

「私はあの時、自分と一緒に”死んでくれる”人間の顔を思い浮かべていた」

”死の淵を見た男” の福島原発の所長吉田昌朗さんの回想録の一節です。
この後、必要最小限に人を残して退避命令がでます。
しかし決してあきらめたわけではありません。
最後まで原子炉に水を注入する覚悟でした。

人知を超えた何かが日本を救ったのかもしれません。

死の淵

先日紹介した「死の淵を見た男」を読み終えました。

東北・関東がダメになっていたかもしれない。
それを救ったのは
「人」 だった。

現場で事故に立ち向かった東電、自衛隊、関連会社の方々です。

死の淵まで行った人の凄さ。
極限状態で人の真価があらわれます。

日本を救った方々に深く感謝しなければなりません。