何を為しているか

その人が何を言っているかより、
何を為ているかが問題。
そして両者の差がヒドければヒドイほど、
その人は問題の人といってよかろう。
もしその上に有名だったら、
一種の悪党性がつけ加わるとさえ言えよう。
[ 森信三 一日一語 ] より

そうですね。

信用

すべて物事には基礎蓄積が大切である。
そしてそれは、ひとり金銭上の事柄のみでなく、
信用に関しても同じことが言えます。
否、この方がはるかに重大です。
[ 森信三 一日一語 ] より

信用は蓄積です。
小さなことも、ひとつひとつ。
そのためには、ぶれいな信念が必要です。

アウトリーチ 中條レポートNo195

アウトリーチとは本来、手を伸ばす、手を差し伸べるといった意味である。福祉においては自発的に援助を求めてこない方々に対するアプローチの方法で、相談機関から地域に積極的に出て問題を抱えた人と対面し潜在的なニーズを表に出せるよう援助して行くことでアウトリーチが重要な理由は、いわゆる声をあげない方々(援助が受けられる制度を知らない。社会的に孤立している。ぎりぎりまで動こうとしない)を援助するためである。早期に援助することで改善が図られることがある。

例えば生活保護の場合を考える。資産が無くなるまで、何ら相談支援の手立てがなく、生活保護状態になるまで待つだけの人がいたとする。この人を早期に支援することで、資産を元手にし、社会参加や自立意欲を高め就労のきっかけを作ることも可能である。

病気と同様、早期に対応すると出来ることがたくさんあるが、問題が大きくなってからでは出来ることが限られる。但し困窮する前の方に手を差し伸べても拒絶される場合がある。本人の意思能力が確かであれば、本人の意思に反して介入することは出来ない。無理に介入すれば訴えられる可能性もある。しかし、このようなケースでも介入をあきらめるのではなく、挨拶出来る程度の関係を保ち、助けを求められる存在として認識してもらえるよう努力することが大切である。

アウトリーチを実施し機能させるためには、相談支援の対象エリア内の、声なき声(声を発しない人)など、地域で問題を抱えた方々の情報が支援機関につながる地域体制づくりを構築しなければならない。情報提供者は、専門職経験者、ヘルパー、民生委員等の専門知識・経験のある方だけではない。町内会、アパート管理人、新聞配達員、宅配業者、等も有力な援助者になりえる。これらの人々は情報を提供してくれるだけでなく、支援や見守りの担い手にもなってもらえる可能性がある。

超高齢化社会・孤立社会においてアウトリーチが必要な人が急増している。これらの方を援助していくための社会資源は地域社会に求める方法以外はないと思う。そのためには地域社会の人々に活動する意義・必要性を認識してもらう活動が欠かせない。

認知症と成年後見制度 野口レポートNo251

ある息子さんから電話を頂きました。母親は認知症で施設に入所し判断能力がありません。息子さんが銀行の融資を受け、母親の土地を使用貸借(無償)し、その上に家を建てています。母親の土地には銀行の抵当権(物上保証)が設定されています。

息子さんはローンを完済し、この土地に設定されている抵当権を外したいと銀行に相談しました。ここまでは普通の話です。

腹が立つのはこの相談を受けた銀行員の対応です。「分かりました。お母さんは認知症なので抵当権を外すには、成年後見人(以下後見人)をつける必要があります。明日、当行の系列の弁護士を向けるから、後見人になってもらって下さい。」この行員は後見人がつくとどうなるか、お客様にリスクを全く説明していません。

電話を受けて「チョッと待った!」とストップをかけました。すぐに銀行に断ってくださいと言いました。土地売買などの事情があるならば抵当権を外さなければなりません。だが目的はその土地の使用貸借です。抵当権など何の問題もありません。急いで外す必要はなく、母親が亡くなってから外せば足りることです。

 もし、電話をくれなかったら、息子さんは行員の言うことを真に受け、母親に後見人をつけてしまったことでしょう。

一度後見人をつけてしまったら、生涯外すことができません。母親の一切の財産は後見人が管理し、今まで息子さんが容易にできたことが何もできなくなります。

後見に対し正しい知識を欠き、安易に後見人をつけてしまい、失敗したと後悔している人もいます。よほどの事情が無い限り、つけなくて済むならば、後見人はつけないほうが良いと思います。

最近は相続で多くぶつかるのが認知症の問題です。被相続人が高齢なら配偶者も高齢です。認知症を発症している可能性があります。

認知症の発症や、重度の精神上の障害など、相続人に判断能力に欠ける人いる場合は、後見人をつけなければ遺産分割がでません。

後見人は原則として遺産分割で、被後見人の法定相続分を確保しなければなりません。また、相続手続きが終わったからといって、後見人を外すことができません。認知症の母親に渡った財産は生涯にわたり、後見人が管理することになります。

あちらでも信託、こちらでも信託、巷では民事信託が流行っています。認知症対策にも使われています。だが、民法で可能なことはできる限り民法で対応したいものです。手短に確実にできる方法として遺言による認知症対策があります。

全財産を遺言で相続人に指定しておけば、遺産分割協議は必要なく後見人も不要です。ただし、信託も遺言も被相続人になる人が認知症になってしまってからではできません。認知症対策は手遅れにならぬよう早めの対応が必要です。

バランス

人間の智慧とは、
(一)先の見通しがどれほど利くか
(二)又どれほど他人の気持ちの察しがつくか
(三)その上何事についても、どれほどバランスを心得ているか
ということでしょう。
[ 森信三 一日一語 ] より

バランス感覚。
これって大切です。

 

比較

善悪・優劣・美醜などは、すべて相対的で、
何ら絶対的なものではない。
何となれば、いずれも「比較」によって生まれるのであり、
随って尺度のいかんによっては、逆にもなりかねないからである。
[ 森信三 一日一語 ] より

比較により社会が成り立っています。
絶対的な基準で物事を判断出来る人は限られています。

言葉

言葉の響きは偉大である。
一語一音の差に天地を分かつほどの相違がある。
それゆえ真に言葉の味わいに徹するのは、
そのままいのちに徹するの言いといってよい。
[ 森信三 一日一語 ] より

一語一語の音の差。
普段の積み重ねの差なのでしょう。
「そのままいのちに徹する」
”そのまま” になかなかなれません。

肩書

人間は退職して初めて肩書の有難さがわかる。
だが、この点を率直に言う人はほとんどいない。
それというのも、それが言えるということは、
すでに肩書を越えた世界に生きていなければ出来ぬことだからである。
[ 森信三 一日一語 ] より

肩書で生きている。
ここに心が気付くのは難しいことです。

「法定後見」と「任意後見」 中條レポートNo194

意思能力が衰えた人が法律行為を行う時に使う後見制度には「法定後見」と「任意後見」があります。二つの制度の違いを説明します。

法定後見は家庭裁判所(以下「家裁」という)が本人の代わりに法律行為を行う人(以下「後見人等」といいます)を選ぶ制度です。(この人に後見人になって欲しいと希望を出すことは出来ますが、最終的判断は家裁がおこないます)
後見人等が出来ることは、法律に定められていること、及び家裁が許可したことです。
意思能力が衰えてしまい、法律行為が出来なくなった人が利用する制度です。

これに対して任意後見は元気な内に、将来、意思能力が衰えた後のことを、自分で決める制度です。

誰に、どんなことを頼むかを、頼まれた人と公正証書による契約で取り決めます。頼まれた人を任意後見人といいます。
任意後見人が出来ることは契約で決めるので、なんでも出来るかというとそうではありません。本人のためにという大原則の元、出来ることは限られているのが現状です。

監督機能がそれぞれの制度で違います。
後見人等は、家裁に監督されます。
しかし最近は不正防止のため、後見人等に家裁が選任した監督人を付け、監督を強化するケースが増えています。

任意後見は、家庭裁判所が選んだ任意後見監督人が監督します。
本人の意思能力が衰え、家裁に任意後見監督人を選んでもらってから任意後見が始まります。
(ですから任意後見人には必ず監督人が付きます)

後見人等を監督する監督人も、任意後見監督人も司法書士・弁護士等がなり、監督事務を家裁に報告します。監督人を通して家裁の目が光っているということです。

取消権に違いがあります。
後見制度を利用している人は完全に意思能力が無い人ばかりではありません。意思能力はあるけれど、不動産を売却する等の重要なことを行うには助けが必要だという人もいます。意思能力は衰えてはいますが、この人たちが行った法律行為は有効です。

後見人等には、本人が行った行為で本人のためにならない行為を取り消すことが出来る権利が与えられます。
しかし、任意後見にはこの取消権がありません。

訪問販売で高額な商品を買って困るという人には取消権がないと本人を守れません。この取消権がないことで、任意後見を法定後見に変えることもあります。

超高齢化社会において意思能力問題は避けて通れません。
まずは二つの制度の違いを正確に知ることです。理解したうえで、どのような対策をとるかを考えることが大切です。

相続の開始と銀行手続き 野口レポートNo250

動物は死んだらそれで終わりです。植物も枯れたらそれで終わりです。人間は亡くなると相続が開始します。やらねばならぬことが山積します。そのなかのひとつに銀行手続きがあります。

預貯金の取り崩しには「代償分割」の方法を使います。取りあえず代表相続人(長男)が全ての預貯金を一人で相続し、預貯金の解約など銀行手続きをします。次は遺産分割で「代償金」として合意している金額を各相続人へ振り込みます。

各相続人が銀行窓口に行って個々に手続きを取るより、合理的でスムーズに事が運びます。

遺産分割協議書は、全ての財産が記載されている原本、不動産登記用、銀行用(各銀行)の3通りを作成します。

原本は、その家のトップシークレットです。不動産や銀行の手続きに全財産をさらけ出す必要はありません。

相続人に高齢のおばあちゃんがいます。分割協議書に全部自書を求めるのは無理です。自書は原本のみにいただき、不動産登記用や銀行用の分割協議書は印字の記名にし、相続人様と一緒に銀行手続きに行きました。都市銀行や地方銀行はOKです。ゆうちょ銀行もすんなり通りました。最後に地元の某○○金庫へ行きました。

窓口や担当者に相続の知識が乏しく、いつも手続きが円滑に進まないところです。やはり、クレームをつけられました。

行員「記名の遺産分割協議書では手続きができません。」 私「実印が押してあり、印鑑証明も添付してある、他の銀行はこれで通っている、自書してあるのは原本しかありません。」 行員「それでは原本を持ってきてください。」 私「原本は〇〇家のトップシークレットなので出せません。本部の担当者に確かめてください。」 行員「他行は知りませんが、うちはそういう決まりになっています。」

サービスより保身を優先するか……。敏速な相続手続も大事なお客様サービスではないでしょうか。相続税の納付期限も迫っており時間がありません。結局は要求をのみました。

相続の銀行手続きは書類や方法など各銀行まちまちです。手続きの簡素化、書式や方法も統一願いたいものです。

借金などの債務も銀行手続きが必要です。被相続人に3,000万円の借金(アパート建築資金)があります。アパートは長男が相続しました。この借金は相続人全員が法定相続分で相続します。ただし、長男が借金を相続することを銀行が承諾(免責的債務引受契約)してくれたなら、他の相続人はこの借金から離脱できます。

借金の銀行手続きは専門家の支援がほとんどありません。相続人(素人)対 銀行(プロ)で行われます。言われるがまま判子を押してしまう人もいます。借金の相続手続きの怖いところです。