天理

男の子は素質的には母親似が多く、娘は父親似が多い。
そして後天的には、息子は父親に、そして娘は母親に学ぶ。
ここに生命における「性」の相互交錯と相互滲透、
ならびに先天と後天の絶妙なる天理が伺える。
[ 森信三 一日一語 ] より

夫婦

夫婦の仲というものは、
良きにつけ悪しきにつけ、
お互いに「業」を果たすために結ばれたといえよう。
そして、この点に心の腰がすわるまでは、
夫婦間の動揺は止まぬと見てよい。
[ 森信三 一日一語 ] より

信用

すべて物事には基礎蓄積が大切である。
そしてそれは、ひとり金銭上の事柄のみでなく、
信用に関しても同じことが言えます。
否、この方がはるかに重大です。
[ 森信三 一日一語 ] より

異質的両極

一眼はつねに、個としての自己の将来の展望を怠らぬと同時に、
他の一眼は、刻々に変化してゆく世界史の動向を見失わぬことです。
こうした異質的両極を、つねにわが身上に切り結ばせつつ、
日々を生きぬくことが大切でしょう。
[ 森信三 一日一語 ] より

奉仕

人はこの世の虚しさに目覚めなければならぬが、
しかしそれだけではまだ足りない。
人生の虚しさを踏まえながら、
各自応分の「奉仕」に生きてこそ人生の真の味わいは分かり初める。
[ 森信三 一日一語 ] より

評論

創作家が評論をするのは、チューブに穴をあけるようなもので、
それだけ創作への迫力が減殺される。
随って真の文豪は、評論は書かずに自己の作品で示している。
[ 森信三 一日一語 ] より

リズム

すべての物事は、リズムを感得することが大切である。
リズムは、根本的には宇宙生命に根ざすものゆえ、
リズムが分かりかけてはじめて物事の真相も解り出すわけである。
中んずく書物のリズムの如きは、著者の生命の最端的といってよい。
[ 森信三 一日一語 ] より