大悲

真に心深き人とは、
自己に縁ある人の苦悩に対して深く共感し、
心の底に「大悲」の涙をたたえつつ、
人知れずそれを噛みしめ味わっている底の人であろう。
[ 森信三 一日一語 ] より

肝をすえる

肚をすえるという事は、
裏返えせばすべて神まかせという事でもある。
だが単に神まかせというだけでは、まだ観念的であって、
よほどそれに徹しないとフラつきやすい。
[ 森信三 一日一語 ] より

愛と理解

愛する前に理解がなければならぬ。
同時に愛しなければ真の理解は得難い。
それ故かかる処にも、生きた真理は、
すべていのちの円環を描いていることが分明である。
[ 森信三 一日一語 ] より

犠牲

この地上では、何らかの意味で、犠牲を払わねば、真に価値あるものは得られぬとは、永遠の真理である。
だからもしこの世において犠牲の必要なしという人があったとしたら、それは浅薄な考えという他ない。
だが犠牲は他に強要すべきものでは断じてない。
かくして犠牲において、大事な点は、自ら犠牲の重荷を負う本人自身には何ら犠牲の意識がないどころか、そこには深い喜びと感謝の念の伴うのが常である。
[ 森信三 一日一語 ] より