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保証人になっていませんか 三商レポートNo46 

銀行などからお金を借りる人(主たる債務者)に担保や信用が不足している場合、貸す側は保証人を要求します。もしも主たる債務者が返済できなくなったら、保証人は代わって返済する責任があります。
「保証人になってはいけない」と分かっていても、頼まれると断れない場合もあります。相手が、親しい友人・お世話になった先輩・仲間の同業者・つきあいのある取引先などの場合です。頼む側は、「絶対に迷惑はかけないから」と必死にお願いします。保証人になる人は、決まって好い人です。多くの場合、心配するので家族には言っていません。主たる債務者がきちんと返済していれば、銀行から請求も経過報告もありません。保証契約書は、かつて「差入れ書」の形式をとっていたので保証人の手元にありません。平成16年の民法の改正で、保証契約書の作成が効力要件になりました。しかし、契約書を保証人に渡す法律上の義務は、銀行にはありません(貸金業者は交付義務があります)。そのため、保証人の家族は保証債務のあることが分かりません。

その保証人が亡くなったらどうなるでしょうか? 就職の際の「身元保証」 ならば、保証は終了します。個人的なつながりが強い性質の契約だからです。
しかし、お金に関する保証は違います。借金と同様、保証債務も相続します。
法定相続人が、法定相続分に従って、法律上当然に、保証人の地位を引き継ぎます。誰が債権者で、誰が主たる債務者かを知らなくても相続します。

@注意すべきは、主たる債務者がきちんと返済していれば保証債務は現実の債務として確定していません。そのため、相続開始の時に相続債務として控除されないことです(借金との違いです)。
A問題なのは、保証人に相続財産があり(土地・建物など)、その財産分けの手続きを終えている場合です。その後に主たる債務者が倒産・自己破産により返済できなくなった時、保証債務は現実化し確定します。銀行など債権者は、相続人に保証人としての支払を求めてきます。その時にあわてて「相続放棄」の手続きをしても認められません。 「自己のために相続の開始を知った時から3ヶ月以内に」という、期間を過ぎているからです。かりに、最近の家庭裁判所の柔軟な運用により、 「保証債務のあることを知った時」を起算点としても、既に相続財産を分けてしまっているので法定単純承認とみなされてしまいます。従って、保証人として支払わざるを得ません。支払ったとしても、債務控除もなければ、主たる債務者からの求償も事実上不可能です。まさに踏んだり蹴ったりです。

中小企業の経営者は、自分の会社が借入する時に個人保証を求められます。
会社と運命をともにするのでやむを得ません。その社長が亡くなると、相続人が資産とともに保証債務も相続します。中小企業では、社長のほかに妻や後継予定の長男が連帯保証人となることがあります。負債が多く、相続放棄したとしても、妻や長男は連帯保証人としての責任からは逃れることができません。

最近、「事業承継」の問題がクローズアップされています。@後継者を誰にするかという人の問題と A会社の資産や自社株の扱いという財産の問題が中心です。 しかし、 もうひとつ保証債務の対策をどうするかが重要テーマなのです。
(2008.4.1)






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