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「天声人語」に東洋大学が全国から募集した「現代学生百人一首」に入選した作品が紹介されています(平成20 年1 月15 日)。
「ほうれん草のおひたし最近水っぽい握力落ちた母の細腕」(高3・千葉 幸)
「仲間とのそば打ち語る父の顔白髪頭の少年がいる」(高3・馬場史織)
「おじいちゃんみんなの話題と違うけど私はちゃんと聞いてるよ」(高3・岸友佳里)
「帰るねと言ったら急に話し出す祖母の顔見てまだいようかな」(高3・内田菜月)
「おばあちゃんさっきも言ったよその話忍びよる影そっと肩抱く」(高3・関口亜沙実)
いずれも高校生の作品です。家族に向けられた優しい目と思いやりの心が伝わってきます。うれしくなります。なごみます。そして、まだまだ捨てたものじゃないと安心しました。その心のまま大人になってもらいたいと願います。
大人の世界でもなごむ話に出会いました。
相続研修会が終わったあとの酒の席でのH さんの話です。「女房の実家の土地の時価は、2
億円はします。相続分は4 分の1。女房の姉が母と同居し介護をしています。姉が大変だから私はもらわないつもり、と女房が言うんですよ。」
同席していた一同が次の言葉を待っていると「うちの奴、すごいでしょ」と。
皆がうなずきました。奥様は介護の大変さと姉への感謝と思いやりの気持ちを
込めて言ったのでしょう。確かに「すごい」です。親の介護を全くしなくても、相続になれば権利だけは堂々と主張するケースが多いのですから。同時に、奥
様の気持ちを受けとめ、女房を「すごい」と褒めるH さんもすごい。「4
分の1は権利があるんだぞ。オレもその金があると助かる。子どもにもまだ金がかかるし。」と言ってもおかしくないからです。連れ合いの横槍が相続を争いにすることも多いのです。
このH さん夫婦のように、感謝の気持ちと譲る心を持っていたら相続でもめません。H さんの家庭が幸せで、H
さんの周りに多くの人が集まるのもうなずけます。こうした親を見て育つ子も、きっと優しい思いやりの心を受け継ぐのだと思います。
(2008.2.4)
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