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明けましておめでとうございます。
三商レポートをお読みいただきありがとうございます。
今年もよろしくお願い致します。
相続の分野に、相続を専門とするカウンセラーがいてもいいのではないか。
むしろ必要であると考える。働く人々のいる職場に産業カウンセラーがいて、学校にはスクールカウンセラーがいるように。相続の現場には、カウンセラー
を必要とするほど人間関係に基づく悩みや不安や怒りやトラブルが多くある。
カウンセリングの定義は多様だが、「言語的および非言語的コミュニケーションを通して、行動の変容を試みる人間関係」とするのが主流である。目的は、人生で誰もが遭遇する問題を乗越えながら成長して行くのを援助することにある。対象は、悩みを抱えた普通の人。病人ではない健常者である。特徴は、相談者(クライエント)の主体性を重視する点にある。決してカウンセラーの考え方や価値観を押付けるものではない。(参照)「現代カウンセリング事典」(国分康孝)
相続相談の現場では、従来から@節税(いかに相続税を安くするか)A納税(いかに相続税を納めるか)B分割(いかにもめることなく財産分けするか)が中心だった。そのため、税金や納税で困ったら税理士さんへ、財産分けでもめたら弁護士へ相談に行くことになる。つまり相続の問題は税理士さんか弁護士さんの仕事との思い込みがあった。そこで、先生に「お願い」し、「おまかせ」することになる。
しかし、 相続の問題は税金と法律だけでは解決できない領域がある。
それが、心の問題である。一人ひとりの個性が違うように、みな考え方・価値観・生き方が違う。そのため、相続の場面ではいろいろな感情が交錯する。ここに十分な配慮が必要なのに足りなかった。心の専門家がかかわっていなかった。相続をビジネスにする人達の都合や価値観で処理されてしまうこともあった。そのため、家族の絆や兄弟姉妹の縁が切れてしまう事態になった。相続のような人生にかかわる問題の答えは、その人の心の中にある。時として、節税にはならなくても、法律的は違っていても、その人が納得できればそれが答えである。
考え方や受け止め方を変えることで解決につながることもある。
そのために、相続カウンセラーは自分の価値観はひとまず脇に置き、一人ひとりの考えや悩みや不安をしっかりと「聴く」。「聴く」とは、耳で聞いたことを心で受け止め、目でも十分に観察し理解しようとする姿勢である。特定の相続人の利益のためではなく、相続人全員のために聴く。そして、相続人自らが答えを見つけることを支援する。しかし、ただ聴くだけではない。信頼関係を前提に「介入」し、相続に伴う問題解決の支援までも行なう。時として、全員に譲り合うよう「指示」することもある。また、円満を装ってでも一定期間内にまとめあげる必要を「提案」することもある。相続人の全員から信頼されてい
なければできない支援である。
優れた税理士・弁護士・相続の実務家の中には、既に実践している人もいる。
しかし、多くは相続の問題を税と法律で処理し、心の問題を置き去りにしている。相続の諸問題を税金と法律の知識だけでなく、カウンセラーの視点と心構えから対応する必要があると考える。相続問題の中心は、相続人や被相続人という人間なのだから。
(2008年1月5日)
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