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平成13年の「野口レポートNo62」です。 野口社長の仕事に取組む基本的な姿勢が現われた文章です。 じっくりお読み下さい。
「剣は心なり 素直な熱意こそ 大切なり」。稽古にかよっていた剣道場の標語です。私はこの言葉が大好きでした。
25歳で剣道を習いはじめ、あきずに続けていたら三段になっておりました。剣道の精神は、自分の人生や仕事に少なからず影響を与えてくれました。 人生とは人との出逢い 師との出逢いと申します。 刃筋が通り真っ直ぐ下りた剣は、相手の剣をはじき肉を切らせて骨を切ります。 「真っすぐ上げて真っすぐおろす」。小野派一刀流師範、日森館長から教えて頂いた一刀流の極意です。 故中野八十二先生(元慶応義塾大学剣道部師範)が道場を訪れてくれました。中山博道らとならび昭和の剣聖といわれた達人です。 三段以上は特別に稽古をつけていただけます。当時二段の自分はかえすがえすも残念でした。
「剣道とは何か」見ておきなさい。館長の言葉のあと、弟子達は順番に総当り、高段者の先輩たちがまるで赤子のようです。中野先生の剣先は相手の中心を一分も外さず霊気さえ感じます。 剣豪など、文庫や映画の世界と思いきや、現実に目のあたりにした達人の衝撃はいまも目に焼きついております。 どんな各下でも相手を尊重し、決して手を抜かず真剣勝負で応じられる姿にも感銘をうけました。 どんな小さな仕事でも全力で取り組む姿勢の大切さは、中野先生から学ばせていただいたものです。
剣道ブームのころ、地元に剣友会ができました。多くの小学生が稽古に通いはじめ、指導する事になりました。 大きく振りかぶって真っすぐ打ち込め、それだけは常に指導しておりました。剣道は正しい面打ちができれば、他の技は自然と身につきます。 子供達の剣筋は素直で、剣道大会では相手に胴を抜かれ(打たれる)たり、小手を打たれたりします。試ではなかなか勝てません。 何でうちの剣友会は弱いの? 内心お母さん方は不満です。 これでいい、これでいいのです。もう少し我慢と説得します。 小手先の技を教えれば試合には勝てますが、剣道が小さくまとまってしまい、いずれゆきずまります。「おおきく振りかぶって真っすぐに打ちこむ」 は原点です。 正しい剣筋を身につけた子供達はメキメキと頭角をあらわし、剣道大会では上位をしめるほどになりました。 教え子達は、揃って地元の中学に入学し剣道部に入りました。玉川中学校剣道部が川崎を制するのに、さほど時間はかかりませんでした。中学校の廊下には、笑顔で優勝旗をかこんでいる当時の子供達の写真が今も飾ってあります。あれから10数年、子供達も成長し国体選手に選ばれたなど、活躍を報告にきてくれます。そんな時はうれしい限りです。
「真っすぐ上げて真っすぐ下ろす」。物の核は凡にあり、一刀流の極意は全てに通ずる極意でもあります。
平成13年11月 野口レポートより
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