行政書士中條尚事務所




  資産の組替の目的は今持っている資産の健全性、収益性を高めていくことです。
  しかし企業と違い、個人には資産に対する愛着や考え方がありあます。効率だけでは、資産の組替は判断出来ません。また人は必ず死をむかえます。相続時の財産分けを考慮した資産構成にしておく必要があります。



資産を組替る必要性の簡単な判断基準

@ 今の生活に必要な財産かどうか。
収益が生まない田畑でも、田畑で耕作をしたいのであれば必要な財産となります。
生活の拠点である自宅は、言うまでもなく必要な財産です。
生活費、こずかいを捻出するための賃貸不動産は必要な財産です。
しかし
年をとって田畑で耕作出来なくなったら
広い自宅にすむより便利なマンション住まいの方がよくなったら
賃貸建物が古くなり、維持していくのに大変になったら
資産の組替を考える必要性が出てくるのでしょう。


A 相続で貰って嬉しい財産かどうか。
貰いたい
財産
現金 優良上場株 無借金アパート・マンション すぐに売れる土地。
現金、収益が生み管理等手間がかからない財産。
欲しくない
財産
貸地 古い貸家 借金付アパート・マンション。瑕疵のある不動産。
持っていると煩わしさも一緒についてくる財産。


B 相続のときに遺産分割に支障がないか。
@Aを満たしも、遺産分割に支障が出るような財産構成であれば資産の組替が必要です。




資産の組替方法

@不動産を売却して、他の資産へ。


現預金、外貨預金、株、債権、投資信託、保険年金、事業資金等々。


A不動産を売却して、他の収益不動産へ。


収益性の高い地域での不動産投資。
所有している土地が収益性が低ければ、その土地に賃貸建物を建てるのではなく、収益性が高い土地に買換えてそこに建物を建てる。



事業用資産の買換え特例の利用


平成20年末までの事業用資産の譲渡で一定の要件を満たせば、譲渡所得税の繰延べが出来ます。翌年末までに買換え資産を取得し、その翌年までに事業に供することが適用要件です。
土地から土地、土地から建物、地域に制限がありません。
使い勝ってがよい制度です。事業用資産の買換えをする場合はこの特例の利用を検討しましょう。



B
現金で借金を返済する。


手持ちの現金、不動産の売却で得た現金で借金を返済する。
デフレする不動産、デフレしない借金。
手元にある程度の現金は必要です。要はバランスです。




資産の組替には資産整理も含まれます

@
貸地
貸地毎に測量、分筆する。契約書を整備する。(物納要件を満たす位まで整備する)
借地人への売却、借地権の買取、借地人との共同売却がいつでも出来るようにしておけば、貸地の流動性が高まる。
A
広大地
造成して区画分けしておく。一区画の売却も可能になる。遺産分割がしやすくなる。
B
古貸家
定期約家契約に徐々に切替えていく。将来の立退きの準備に入る。
C
貸工場
土壌汚染の調査をする。土壌汚染されていれば対処すする。




資産のバランスシートを作成してみましょう

資産の部
資本の部


賃貸マンション
土地建物
14,000万
銀行借入
14,000万


貸し地
2,000万
相続税
4,000万
自宅土地建物
6,000万



現金
1,000万
自己資本
14,000万


すぐに売れる土地
(駐車場300坪)
9,000万



32,000万

32,000万

左側が所有している資産の時価です。(相続税評価とは異なります)

資産1(固定資産) は売りたくない不動産、売ることが難しい不動産です。
賃貸マンションは利回り10%で考えた投資価格です(この場合年間賃料1,500万円と仮定)。
貸し地は更地価格の1割(借地人でない第三者に売れる価格)で算出しています。
しかし賃貸マンションや貸し地の実際に売れる価格は市場に出してみなければ解りません。
自宅は守らなければならない財産として資産1に含めました。

資産2(流動資産) は現金預金やすぐに換金出来る財産。
すなわち、売っても良い財産ですぐに売れる財産です。

右側は左側の資産をどのようにして調達したかです。

資本1(負債) は返さなければいけないお金です。
銀行借入れはマンションの建設資金です。
昔から引き継いできた財産は相続税という国への債務を背負うことを条件に引き継いでいるのですから、相続税を資本1に加えています。

資本2 これが自己資本です。



分析

銀行借入れは長期債務ですぐに返済しなくてもよく、相続税も資産2の範囲で十分払える。これらを考えると問題がないように思えます。しかしマンションの空き室リスク、金利上昇リスクを考えると、資産2を増やすか、資本1を減らす必要があります。



対策

@貸し地を整理すること。貸し地を現金化したり更地にすると、貸し地は資産1から資産2に変わります。時価は3倍位になります。
A広い土地の真ん中に道路を造り土地を区画分けする。区画分けすることにより、資産2が増します。流動性は高くなり遺産分割がしやすくなります。

資産の価値を把握するためバランスシートを作ることは大切です。資産を改善する方法もみつかるでしょう。


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